キムジャンについて

 冬から春にかけて食べるための白菜キムチ、大根キムチなどを立冬前後から作っておいて置くこと若しくはその行事をキムジャンといいますが、韓国固有の伝統食として現在でも冬の季節の必須食品となっているキムジャンキムチは貯蔵性に適しており、ビタミンが多量に含まれていて整腸作用に効果が大きい野菜塩蔵食品です。
キムジャンは春の塩辛漬けから初秋の唐辛子、ニンニクなど副材料の準備、キムジャン用野菜の栽培等準備期間だけでも6ヶ月以上かかる大きな行事で種類および調理法は多種多様です。キムジャンの為の材料としては白菜、大根をはじめ茄子、きゅうり、コンナムル(大豆もやしなど)など多様な種類の野菜が利用され、ここに三つ葉、からし菜、ニンニク、ネギ、しょうが、唐辛子等の香味野菜と味をつけるための塩、塩辛などが使われます。
 地方によりキムチの種類と味が違ってくるのはこのようにいろいろな材料を使い、調理法や気候が違うからです。
寒い地方では薄塩にして味付けも淡白にさせ野菜の新鮮な味をそのまま維持させて食べます。 これに反して南側の地方は比較的に暖かい気候により発酵が早く進むことを防止するため塩分の濃度を高くして唐辛子、しょうが等の調味を多くして汁が少なく出るように貯蔵します。 キムジャンに使われる塩辛も地方により違いますが、北部地方と中部地方はえびの塩辛、いしもちの塩辛を多く使い、慶尚道や全羅道など南部地方ではひしこ漬けが主に使われます。また北部地方では明太のような塩辛を使ったり牛肉の汁を入れたり、全羅道ではもち米や普通の米の汁を使ったりします。 
 このようにいろんな材料が使われるキムジャンキムチには白菜丸キムチ、ボッサムキムチ、カクテギキムチ等あらゆる種類のキムチが作られます。


キムジャンキムチは野菜や果物が取れない冬の間のビタミン補給には欠かせないものです。
またこのキムチに含まれる乳酸菌は体に有益な微生物で同じ微生物でも病原性や毒性を持つ雑菌の成長を抑制する役割を持っており食品の構成成分を変化させ特有な味と香気を作ったりもします。
キムチが発酵するにしたがってすっぱい味とにおいがするのはこのせいです。
このほかに乳酸菌の効能としては
 @大腸内部の掃除をしてくれる。
 Aキムチ内のキムチに含まれるビタミンB群の含有を増加させる。
 Bがん細胞の増殖を抑える。
等がありますが、キムチには乳酸菌飲料であるヨーグルトの4倍の乳酸菌が含まれているのです。

いまや日本でもたくあんを凌ぐキムチですが、このような体に良い成分が多く含まれるキムチを日常的に取っていればより健康的に過ごせることでしょう。
家族総出のキムジャンの様子を表しています